第7回 幼児教育と環境 〜才能開花は先天的か後天的か???(前編)

ごあいさつ

前回は、幼児の言語の獲得〜正しい日本語について、いろいろとお話し頂きました。

日本人は、世界的にも高度な言語の知性を持つ民族ではありますが、最近ではなかなかその知性が育たない環境に子ども達は置かれているようです。
特にテレビゲームに代表されるようなビジュアル志向だと、コミュニケーション能力も文字への関心も薄れてしまいがちです。
そんな中で、絵本を読み聞かせると言うことが、親子のスキンシップが図れて文字への関心も高まり、結果的に言語の知性が伸びると言う事です。誰でも簡単に出来る身近な教育として実践してみてください。

さて、今回は前回に引き続き、幼児「脳」があぶない3つの脅威、「環境ホルモン」、「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」、「睡眠障害」、の続編です。

はじめに (続)幼児「脳」があぶない

さて、幼児「脳」があぶない第二の要因として、「微細脳障害(MBD)/「早幼児期脳障害」」というのがあります。

これは、とくに胎児期から早幼児期(生後一年位)に受ける、有害物質の影響、薬害やドラッグ、栄養不足、酸素不足、感染症、さらには、鉗子分娩時の圧迫、幼児虐待(強く頭をぶったり、揺さぶったり、ビンタしたり等)や不注意による外傷(ころんで頭を打ったり、落としてしまったり。)、遺伝、等々、実に様々なことがトリガー(引き金)となって脳に些細なダメージを与えてしまうのです。そして、それらは微細な障害ゆえに分かりづらく、知らず知らず子どもの脳をむしばんでいくことになります。

例えば、毒性の強い有害物質を摂ってしまい影響を受けたことを考えてみましょう。
妊娠三ヶ月くらいの早い時期ならば流産となってしまうし、遅い時期なら形態異常や知的障害などはっきりとした症状が出てきてしまうので、因果関係が明らかです。
しかし、脳に些細な瑕疵=チョットしたダメージ程度だとMRIやPETなどの高度な検査をしないと分かりません。
そもそも、些細な瑕疵があるからと言って明らかな症状が出ない場合も多々あり、本人も家族も分からないまま普通に過ごしてしまうなど、見分けることが出来ません。

この聞き慣れない、そして「脳障害」と言うとちょっと怖い感じがするこの病名は、病気と言うよりは「ある症候群」を表す原因となるようです。
それが最近よく耳にする「ADHD(注意欠陥多動性障害)」というものです。
その特徴は。。。。。

風邪が発熱・悪寒・頭痛・咳・たん・くしゃみ・等の色々な症状があるのと同じように、集中力がない・落ち着きがなく多動・遊んでいても騒々しい、むやみに走り回ったり高いところへ上がる・衝動的である・他人の遊びや会話に割り込む・順番が待てない・指示に従えない・大事な物をよくなくす、等々、さまざまな症状群をまとめたものです。
実は、このADHDの子どもの多くは、脳に微細な瑕疵(形成異常)を持っていることが知られています。その原因としてあげられるのが微細脳障害/早幼児期脳障害をはじめとして、環境ホルモンや睡眠障害などの様々な要因が絡まり合って、幼児「脳」の発育不全や異常をもたらすことになるわけです。

ところで、このADHDは大人になると自然に治る場合もあるとも言われていますが、先の『子どもの脳が危ない』(既出)の著者 福島博士は、精神鑑定医として多くの重大事件や青少年の凶悪事件を担当してきた結果、ADHDは出世魚のように名称が変わりながら障害が大きくなるとして、次の点を指摘しています。

  • 成人期において、「反社会的人格障害(ASPD)」として、重大殺人事件をおこす者の多くは脳に障害がある。
  • そのASPDの多くは、思春期において「行為障害(CD)」を示し、少年鑑別所に送られるような非行行為にふける。
  • そのCDの多くは、児童期において「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の症状を示す。
  • そのADHDの多くは、胎児期から乳幼児期において「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」としてダメージを受けている。

もちろん脳へダメージを受けた全ての子がこのパターンになるわけではありません。
また、ADHDのトリガー(引き金)となるのは、「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」だけではありません。「環境ホルモン」や「睡眠障害」による脳への影響なども当然あるわけです。

この様に、問題の人間がまだ胎児であった時期から乳幼児の間(早幼児期)という極めて短い期間=まだ「脳」が完全に形成されていない時期の脳へのダメージや発育不全が、その後の生涯に大きな影響を与えてしまうと言うのは、とても可愛そうなことです。
ただ、この「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」や前回の「環境ホルモン」は、親が知らず知らず与えてしまったもので、責められるべきではないかもしれません。
しかし、次の「睡眠障害」となると、チョット事情が違ってきます。親が与えている生活環境に原因があるからです。

最後の締めくくりとして、幼児「脳」があぶない! 第三の要因となるのが、最近特に問題視されている「睡眠障害」です。

(今回は、今話題の幼児脳の発育に対する色々な障害の1つ、「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」についてわかりやすく述べました。
次回のこのコーナーでは、いよいよ最後に大変問題となっている「睡眠障害」について取り上げます。)

さて、今回も長々と小難しい話しから始まりましたので、さっそく対談の方に入っていただきたいと思います。今回も、長年に渡り幼児教育のリーダーとして現場教育に携わり多くの優秀な人材を社会に送り出したるりる〜先生と、「IQ200天才児は母親しだい!」の著者の吉木先生に、面白い&意義ある対談をしてもらいたいと考えています。

幼児教育と「言語の獲得」 〜正しい日本語〜(前編)

宮本みきお

人の才能って先天的か後天的か? よく聞かれます。たしかに、一部の人達は先天的にスゴイ才能を持っている事がありますが、その人口比率は1%も無いかもしれません。逆に、肉体的な面では高い確率で先天的なものが関係してきます。例えば、糖尿病や癌などは、その遺伝子マーカーがあるかどうかといった先天的なもので、その後の人生の過程の中で、高い確率で発病することになります。でも、その事を知った上で、正しい生活習慣を送れば、防ぐor軽減することも可能となります。

さて今回は、才能に関して「先天的」か「後天的」かと言った点をお話いただこうと思います。

佐藤るり子先生

後天的か・・・先天的か・・・
「まいと」に来る子ども達を見ていると、よく考えます。

まだ0歳の子ども達に触れたとき、どの子どもも同じような赤ちゃんですが、確かにその子どもの気になる玩具・好きな動作・その子の気性・喜怒哀楽が違います。
まだ生まれて半年なのに、こんなにも一人1人が違うとは! 生後80日余りの親子の係わりといった「環境」の違い、そして先天的に両親から引き継いできている能力もあるのでは無いかと思われます。
様々な発達や言語獲得の時期、指先の器用さや身体的なリズム感、要領の良さなどは、後天的な刺激がとても重要ですが、ただ、それだけで育まれているとは思えないからです。

幼稚園年長の男の子で、常にピョンピョン跳ねている子どもがいました。
決して落ち着きが無いわけではないのですが、歩くとき、嬉しいとき、楽しいときはいつもピョンピョン跳ねています。その子のお母さんは、『この子はお腹の中に居るときから、私が音楽を聞いても、体操していても、嬉しいのかよく足をよく動かしていて苦しかった。』と笑って言っていました。

私は、生まれながらの得手不得手・発達の違いはあると考えます。
その上で、後天的な刺激、つまり、子どもを取り巻く環境や幼児教育環境がその子どもの成長に大きく左右してくるのではないかと考えています。

吉木稔朗先生

そうですね。私が「IQ200天才児は母親次第」という本を出した時、ある読者の方から、「ノウハウ以前に、先天的なものがあって、みんなが同じようになるわけではないと思います」という意見が寄せられました。
私は、「赤ちゃんはみな天才であって、その能力を引きだすのは母親がその中心を担い、“愛情”プラス引きだすための“教育”によってこそ、その天才としての能力が発揮されます」と言ってきました。

しかし、一方では「蛙の子は蛙」ということわざがあるように(トンビが鷹を生むということわざもありますが)、頭のいい家系には頭のいい子が生れてきたり、貴乃花、若の花兄弟のようにお父さんの素質を受け継いだ力士もいました。スポーツマンの家系にはスポーツマンが多いようにも思われます。

宮本みきお

確かに、そう言った家系は実際ありますね。ガンなどはその遺伝子があるかないかといったわかりやすい判断基準がありますが、学業やスポーツに優れた才能を発揮する遺伝子みたいなのがあるのでしょうか?

佐藤るり子先生

「カエルの子はカエル」という諺、子ども達を見ていていくつか思い当たる節があります。

ご両親のどちらかが医師の場合、子どもに与える玩具=おもちゃにもちょっとの違いがあります。
家庭という環境の中に自然な形で聴診器があったり、医学書があったり、ご両親の会話も専門的です。
子どもは自然に聴診器に興味を持ち、そんな子どもに対して親も子供用の聴診器を与えたりして、楽しく一緒に遊んでます。
薬の名前にも興味をもち、小学生くらいになると私などより詳しく薬の知識を知っており、いろいろと教えてくれます。そして、医者になりたい!という気持ちを強く持っている様です。将来その子どもが医師になるかどうかわかりませんが、確かに育つ環境の違いによる影響を感じます。

吉木先生の言う通り、スポーツマンの家系にはスポーツマンが多いとは、一見、先天的なようですが実は後天的なものが大きく影響を与えているようですね。

宮本みきお

なるほど、後天的な要素としての環境が重要となってくるわけですね。

佐藤るり子先生

芸術家系でも同じことが言えますね。お母様やお父さんが音楽家の場合、家庭環境には音楽的な刺激になる物が必然的にたくさんあります。ピアノやバイオリンなど音の出る楽器、楽譜や書物などやはり専門的な資料がたくさんあります。子どもはその環境の中で育つ訳ですから、そうでない子どもに比べると音楽的な刺激は多いと言うことです。

お母様がバイオリン奏者で、その息子さん2人は、音楽の道を選ばなかったというご家庭があります。私はあるとき、『音楽家にさせようとは思わなかったのですか?』と聞いたことがあります。
お母さん曰く、『私はさせたいと思った時期もあったけれど、本人達が望まなかったのよ。「お母さん、僕は自分で弾くより聞く方が好きだから!」と言われてね。バイオリンを練習しているときや、他の子どもを教えているときの私の顔が厳しく怖かったのかも?!』と、笑って話しておりました。

全ての子が親の持つ才能を受け継ぎ、同じ道を歩むわけでは無いのですが、家庭環境の違いは大いに左右するようです。

宮本みきお

知性(既出)」の発達(上記の例では音楽的知性)には、臨界期までにある一定の教育が必要となるようですが、このような音楽家系の場合は、自然とその教育環境が整っているわけですね。その才能を伸ばすかどうかは別ですが。。。

吉木稔朗先生

ちょっと面白い話があります。私は家系というものに興味をもったことがあり、「家系を科学する」(創芸社刊)という本を読んでみました。よく○○家は女系だとか、長男が若くして亡くなるなどと言うことがありますね。この本ではその繰り返される家系の不思議のわけが書いてありましたが、それを読むと、先天的なこと(家系的な視点での)がずいぶん多いなあ、と思わされました。

確かに人間は自分で決められない運命というか宿命を持って生れていることは疑いようがありません。
例えば、自分はどこの国の誰と誰の子供として生を受けた、ということには後天的な要素はありません。既に変更はきかないのです。自分はアメリカに生まれたかった、大富豪の娘として生まれたかった、と願ったり&努力したりしてもその事実は変更できませんね。これは運命を越えて宿命というべきかもしれません。
お母さんに言いたいのは、子供はお母さんが望んで生んだのかもしれませんが、子供はそのお母さんを望んで生まれたのではないのです。
だけど、子供は「お母さん、私を生んでくれてありがとう」「私はお母さんの子供で幸せです」と言ってくれます。

なぜでしょうか?
それは愛情と教育があるからだと思います。もし愛情と教育がなかったらどうでしょう?
早く大きくなり親から離れたいと願って生活することでしょう、「私はあなたを親と認めない」などどと子供は大きくなってから言うでしょう。

さて、こうして生まれてきた子供の人生は、親によって左右することができます。
教育を与えれば与えた生き方を、与えなければ与えられない生き方を選択するようになります。
勤労に貴賎があるわけではありませんが、教育を与えられなかった人が頭脳労働を司るのはかなり困難なことでしょう。もちろん本人のその後の努力によっても変化しますが。

宮本みきお

つまり、後天的な要素として、愛情と教育がその子の人生に影響を与えると言うことですね。

佐藤るり子先生

ご両親の教育への関心はもとより、仕事(就労)環境などによっても、その子の将来を大きく左右するものです。

コンピューター関係の仕事をしている父親をもつ子どもは、機械に対し興味や関心が強く、パソコンの使い方も上手です。
水産関係の仕事をしている父親を持っている子どもは、海の中の知識がどの子どもよりも有り、物知りです。
航空会社で仕事をしている両親をもつ子どもは、飛行機や空の事に興味を持っています。
野球が好きなお父さんの子どもは、お父さんと野球観戦に良く行きます。キャッチポールも良くするそうで、良い関係を築いています。野球チームにも入って活躍しているので、集団性や社会性も磨かれます。

私の友人で、とてもお掃除好きで綺麗好きな人がいますが、その子どもは3才の頃から、整理整頓の得意な子どもでした。
本を読むことが好きな両親の子どもは、やはり本を読むことが好きです。両親と競争をして読んでいる子どももいます。

この様に、子どもはご両親の仕事や趣味・性格に触れながら育つわけですから、後天的なものがその子どもの成長に大きな刺激になっていくことは、事実のようです。

宮本みきお

なるほど、よくわかりました。ただ、そういった環境を与えさえすれば良いと言うわけでないですね? 才能を開花させるツボは何でしょうか。

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対談者プロフィール

吉木稔朗先生

吉木稔朗先生

神奈川大学法学部法律学科卒。早期教育の友人の死を契機に研究を引き継ぎ、現在、ヨシキ幼児教育研究所主催。主たる著書に「IQ200天才児は母親しだい!」「母親だからできる驚異の天才教育」「天才児を育てた24人の母親」などがある。

佐藤るり子先生

佐藤るり子先生

幼児教育学部卒。幼児教育学部専攻科修了。
首都圏の私立幼稚園教諭を経て、大手民間の幼児教育事業部において講師及び教室長を担当。首都圏エリアの運営及び講師育成並びに教育プログラム開発等を手掛ける。現在、幼児才能開発プロジェクト「まいと」専任講師。

宮本みきお

宮本みきお

立教大学経済学部経営学科卒。経営コンサルタント。大手民間の人材バンク及び人材開発の企業を経て、現在、コンサルティングファームを経営。

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