第6回 幼児教育と「言語の獲得」 〜正しい日本語〜(後編)|幼児教育・幼児教材の「まいとプロジェクト」

第6回 幼児教育と「言語の獲得」 〜正しい日本語〜(後編)

はじめに 幼児「脳」があぶない

(前回は、幼児脳の健全な発育に悪影響を与える要因が3つあることを言いましたが、今回は、その1つ「環境ホルモン」をわかりやすく説明します。)

「幼児教育と「言語の獲得」 〜正しい日本語〜(前編)」を見る

TVや雑誌などで馴染み?のある環境ホルモンと言う名称は、実は日本の造語で、正式には「内分泌攪乱化学物質(ED)」と言います。
これはホルモンではなく、我々を取り巻く環境に存在する人工的な化学物質で、体内に入るとホルモン本来の働きをかく乱させる疑似ホルモンとして働くやっかいな代物です。

特に胎児の場合、母親の胎盤を通じてダイレクトに胎児の脳へ侵入するので、脳の発育に影響を与え、ひいては脳そのものの構造や障害、その子の知性や知能、性格や行動等にも係わってくることになります。
この環境ホルモンの注意する点は、胎児期〜乳児期という極めて短い期間に限られるという点です。人は、特に誕生前6ヶ月間に人としての器官や形態が急速に発達してきますが、この1回限りの発達過程に何かしらの悪影響を受けると、あとで取り返しのつかないことになってしまいます。その大きな原因の1つが環境ホルモンなのです。

この「1回限り」と言うのは、知性の「臨界期(既出)」でも出てきましたが、同じようだと思いませんか?
その通りで、これは「有害物質(環境ホルモン)に対する臨界期」と呼ばれています。
知性の臨界期の場合は、その時期に適切な刺激や教育環境を与えないとその後にいくら与えてもあまり効果が出てこないのですが、この有害物質に対する臨界期の場合は、逆にその時期に与えてしまうと、取り返しがつかないことになってしまいます。その後に与えられてもそれほど影響がないと言う点では両者同じですが、知性の場合は比較的長い期間(各知性により異なるが8歳位まで)であるのに対して、有害物質の方は極めて短い期間(誕生前6ヶ月位とその後1年位が特に重要)となります。

さて、この環境ホルモンの代名詞とでも言うのが「ダイオキシン」です。
(このダイオキシンですが、1回の出産と授乳によって、母親に蓄積された量の半分を子どもの移転させると言われています。ですから、第1子が生まれると、母親は自分のダイオキシン量が1/2に減りますが、その子は1/2もらうことになります。さらに第2子が生まれると、母親はすでに1/2に減っており、その半分が再度第2子に移転するので1/4となります。つまり第2子は、1/2×1/2=1/4の量のダイオキシンを受け継ぐことになるわけです。)

ダイオキシンの被害でよく知られるのは、ベトナム戦争でアメリカ軍が使用した枯れ葉剤(農薬の劇薬)の影響を受けた地域から生まれたシャム双生児のベトちゃん&ドクちゃんのような形態異常がショッキングで有名ですが、スウェーデンのバルト海沿岸やアメリカの5大湖沿岸の工業地帯でも、汚染された魚を食べ続けていた地域の子どもは、脳が小さく、知能も低く、精神的にも問題がある子が多い、という食害も報告されています。
ダイオキシンは我々の身の回りに存在し、通常の量では大人にあまり影響はありませんが、ベトナムのように形態異常の子が多発するほどの量となると話は違ってきます。
多くのベトナム人が体調不良や精神障害、生殖不全や流産と言った様々な障害を受けましたが、そこに一時従事したアメリカ兵でさえも同じように影響を受け、社会的問題を引き起こしました。

さて、ここまで悪名高い枯れ葉剤「エージェントオレンジ」。尋常ではない量のダイオキシン量だと思われるでしょうが、ベトナム戦争中(1965年米国の介入〜1975年)にアメリカ軍が枯葉作戦で使用したこの薬剤に含まれるダイオキシンの総量は、たったの約200kgにも満たないそうです。

そうは言われても、多くの食品の中に微量ながらもダイオキシンが含まれてしまっている現代社会に生きる私たちは、ダイオキシンを取らずに生きていくことは無理でしょう。子どもを生む頃には、すでにある程度のダイオキシンが蓄積されてしまっています。結婚や妊娠してから慌ててダイオキシンに神経質になっても、すでに手遅れです。日頃から気をつけて、無農薬野菜や海草といった食物繊維(ダイオキシンの排泄を促す)を意識的に沢山取るようにして、上手に生きていくことが大切です。

さて、これに関連してのお話です。このたび厚生労働省は胎児の脳に影響を与えかねない食物として、メチル水銀を多く含む魚の摂取について、ガイドラインを発表しました。
『どう伝える食の安全』(クローズアップ現代/NHK番組)でも取り上げられ、メチル水銀を多く含む魚の摂取により胎児の脳に影響を与えかねないとして、妊娠中の女性の食生活に注意を喚起しています。これも反響が大きくなるでしょう。

ことの発端は、デンマークのある島民は日本人の2倍のメチル水銀が体内に蓄積されており、胎児の時にこの水銀含有量が高かった子供は、集中力や記憶力といった能力が劣る、と言う調査結果によるものです。その島民のよく食べる食べ物にゴンドウくじらのベーコン(塩漬け)があります。日本人はあまり食べる機会はありませんが、実は、日本人の好きなキンメダイやマグロにもこのメチル水銀が他の魚より多く含まれています。
ただ、魚介類は肉類と異なりヘルシーでDHAなどの貴重な栄養素を多く含むので、これらの魚を食べてはダメと言うのではなく、その取り方に注意すれば問題はないと言うことです。
ちなみに、そのガイドラインによれば、妊娠中の女性が1週間に取っても問題がない量とは、その人の体重1kgあたりメチル水銀2.0μg(100万分の2g)で、約1人前の量の切り身80gとかマグロの刺身6切れ程度です。

もう1つ、ホルモンのお話です。
前回は「アンドロゲン(既出)」と言うホルモンが、胎児の脳形成に影響を与えることを述べました。なぜ、人の胎児の脳は、最初はみな女性の脳なのでしょう? 生命の不思議ですね。ともあれ、このアンドロゲン・シャワーを脳に浴びないと、男の胎児は女性化した未熟な男性脳になってしまうわけで、お母さんにはストレスの無い、愛情に囲まれた環境で大切な我が子の出産を迎えてもらいたいものです。
今回はその逆で、ある事情で外部からそれが投与されると、男性ホルモンと同じように作用してしまい、胎児の脳が男性化されてしまうケースを紹介します。
つまり、男性化した「女脳」「男脳」の誕生です。

これの意味することは何でしょう?

男の胎児の場合、「超男性化した男脳」となるわけです。
もともと男脳には、狩猟本能や好戦的要素があるのですが、これが「超」強化されるわけだから、思春期を迎えた頃ともなると人並み以上の強い攻撃性や暴力性、強い征服欲や性欲、等々を持つ男の子になってしまうわけです。

さて、このある事情と言うのは、流産予防のための投薬等があげられます。ある種の流産予防薬として合成「黄体ホルモン」製剤が大量に投与されたケースでは、それがトリガー(引き金)となってしまい、幼児脳へ影響を与えてしまったのです。
この黄体ホルモンは女性ホルモンの1種ですが、外部からの投薬などで製剤として与えられると、胎児の脳に男性ホルモンのアンドロゲンと同じように作用することが知られています。つまり、脳を男性化させるわけです。もちろん一部の話ではあり、全ての人に当てはまるわけではありませんが、結果として幼児脳へ悪影響を与えてしまったのならば悲劇です。流産予防治療を受けてまで、一生懸命に生もうとしている人が、あえて可愛い我が子に悪影響を与えることなどするわけもないからで、思いもよらないでしょう。
また、ある種の睡眠薬にも、胎児に対して同じように男性ホルモン作用を持つものもあります。
これらもある意味、外部から人工的に薬として使用した・使用せざるを得ない環境にあったと言う意味では、広義での環境ホルモンと言えるでしょう。

昨今の青少年や低学年での重大な、衝動的な、残虐な犯罪がよく起こりますが、これらは、もはや生活環境や学校教育、躾や家庭事情、等々の問題では片付けられないところまできています。
ともあれ、前述の様な薬害によるレアケースはさておき、落ち着きのない子どもや、すぐキレる子どもが、なぜこうも増加しているのでしょう?

人間の脳のメカニズムは複雑です。しかし、そんな複雑な脳でも、その土台が形成されるのは3年3ヶ月と極めて短い期間です。このわずかな期間=この期間に対して、私たちの環境はここ100年で激変しています。工業社会を経て先進国となるも様々な環境問題を抱え、医学の進歩はときにして人体に薬害や過保護をもたらすことに繋がり、便利社会は人間としての生活リズムを不規則にさせました。
大人にとって何でもない環境の変化への対応・適応であっても、500万年かけて進化してきた人類のメカニズム(特に、人間の誕生や脳の発育・形成メカニズム等)は、そうそう変わるものではなく、胎児や幼児への影響を看過するわけにはいきません。
3年3ヶ月という短い期間をうまく乗り切ることが、可愛い我が子の将来を左右する脳の土台作りとなると言えるでしょう。

幼児脳があぶない、その大きな要因となるのが、今回の「環境ホルモン」と、次回の「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」や「睡眠障害」の3つですが、どれもとても問題です。
ただ、今回の「環境ホルモン」や「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」による幼児脳へのダメージは、お母さんが知らず知らず可愛い我が子に与えてしまっているだけに、もし、そうなってしまったとしても責められるべきでは無いかもしれません。(この「まいと」対談」を読むような人が、自分から求めてそうする人はいないでしょう!?)
しかし、「睡眠障害」に対しては、ある意味、親にも責任があると言えるでしょう。なぜなら、親の生活リズムに子どもは影響を受けるからです。

次回は、幼児期に受けた脳の障害がどう将来に影響を与えるか? 睡眠障害が与える幼児脳への影響などを中心に話したいと思います。

(今回のテーマ、幼児「脳」があぶない! その問題となっている第1の要因「環境ホルモン」について、この解説のコーナーは以上です。次回は、残りの第2の要因「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」と第3の要因「睡眠障害」についてです。)

さて、前回同様に引き続き、るりる〜先生と吉木先生とで「幼児教育と“言語の獲得”〜正しい日本語〜」について対談を進めていただきたいと思います。

幼児教育と「言語の獲得」 〜正しい日本語〜(後編)

宮本みきお

正しい日本語を使えるようにするために、話し言葉としての言語の獲得と、読み書きの為の文字の獲得とがあるわけですね。では、実際に幼児が話し言葉を獲得し始める時期と言うのは、いつ頃でしょうか?

佐藤るり子先生

子どもというのは、初めは意味も無く、指で摘めるものを握ります。
そして、身体の発達と共に、玩具やタオル・母親の髪や目の前に転がっている物・等、さまざまな物を意図的に握るようになります。しかし、遊び方も分からず、1人で玩具を触ったりなめたりしている「一方通行」の遊び方しか出来ません。
ですが、その状態の時期に、親や兄姉などがその子どもの手にした玩具を一緒に鳴らしたり、笑顔を向けたり言葉を掛けることにより、一方通行であった「物と自分」との関係にもう1人の「人」が参加することになり、物と人の関係に三角関係が生じます。
実は幼児は、その三角関係の中で、言語能力を培っていきます。

まだ言葉を話さないからそんなに話しかけなくても大丈夫だと思っていませんか?
子どもの言語能力は、まだ話せないこの三角関係の中で大いに言語を吸収しているのです。

よく2歳頃に「言葉の爆発期」があると言うことをご存じの方も多いでしょうが、この爆発期を迎える前には、この三角関係の中での経験を多くすることがとても重要になります。言葉の発達というと、話し始めの時期とその後の言語の獲得環境が大切だと思われがちですが、何よりも大切なのは話し始める前のこの時期こそ、言語能力に必要な素地を培う大切な時期であるといえるのです。

ご両親が、我が子の発達の中での心配事の一つに、我が子の発語の時期があります。これは、我が子の発達と他の子どもとの発達においての比較が如実に出来るからなのでしょう。
子どもの「話初め」の時期には、本当に個人差があります。「まいと」でも、言葉の発語が遅いと心配をしていたご両親がいました。その子は男の子の一人っ子で、2歳半位の年齢でしたが、上手く発語が出来ず心配していました。教室でその子どもを観察したとき、障害によるものでは無いと言うことが分かりましたので、ご両親には、必ず「言葉の爆発期」が来るので、他の子どもと比較をなるべく避けて、とにかく話しかけながらのコミュニケーションを多くとるようにとアドバイスをしました。
今、その子どもは小学校一年生ですが、誰よりも話し好きな子どもに育っています。

宮本みきお

核家族化や少子化が進む日本では、子供の回りの環境に第3者が絡む三角関係は意識的にしないと、なかなか難しいものがありますね。この話し言葉としての言語を覚えるときに、何かほかに家庭において気をつけたいことはありますか?

佐藤るり子先生

「まいと」では、言葉を獲得し始めた2才〜3才の時期にこそお母さん方に言葉を増やすための方法として、目につく「物」を、はっきりとゆっくりと口元を見せて、お子さんに発音してあげることを勧めています。
また、2語文・3語文が増えてくるわけですから、常にお子さんと行動を共にしているお母さんにこそ、正しい「てにおは」の使い方、つなぎ言葉の正しい使い方が出来るようにと話しています。

お母さんは、常にお子さんと一緒にいるわけですから、お子さんが何を欲しているか、阿吽の呼吸で分かってしまいます。
お子さんに『ジュース』と言われると『ジュースが欲しいのね』とお母さんがお子さんの伝えるべき言葉を先に言ってしまうことが多いはずです。つまりお子さんは、家庭の中では、「単語」と首を「縦に振る」か「横に振る」か程度で、欲求が満たされてしまうわけですから、自ずと言葉の獲得は少なくなり、文章を話す回数も減るわけです。
その結果、相手に言葉で自分の気持ちを伝える方法も下手になります。

普段の何気ない言葉のやり取り一つで、子ども達の言語能力に大きな差が生まれてきます。
我が子に語彙を増やしたり、正しい日本語を使わせたくば、両親が心して我が子に話しかけ、そして正しい日本語をゆっくりとはっきりと使うことです。

宮本みきお

では、もう一方の、読み書きの為の文字を覚えるときに、気を付けたいことはありますか?

吉木稔朗先生

読書をしながら、私は、できるだけ早く子供に文字を覚えさせなさい、と言っています。というのは、文字を覚えることによって、その子供は自分の力で知識をどんどん吸収することができるようになるからです。絵本にしろ普通の本にしろ、文字が読めるなら自分で知識を吸収できるのです。

では、いつごろから覚えさせたらいいのでしょう?
私は、「できるだけ早く」と言っています。まだ言葉が話せないころからでも大丈夫です。

赤ちゃんにとって、ひらがなでも漢字でも文字は同じです。かえって、ひらがなの方が見分け方が難しく、漢字の方がやさしいくらいです。
幼稚園で論語を教えているところがあります。論語を理解しているかどうかは別として、子供は簡単に覚えてしまいます。そしてそれがそのうちにちゃんと教えなくても理解できるようになっているのですから不思議です。

「私の子供は、もう幼稚園なので、漢字を覚えさせるのは遅かったですか?」というお母さんもいらっしゃるかもしれません。でも大丈夫です。この時期ならどんどん挽回できるのです。
読書を通じて文字を覚え、お母さんとのコミュニケーションを通じて正しい言葉使いを覚えていけば、正しい日本語、美しい日本語が使える子供に成長していけるでしょう。

宮本みきお

確かに、仏教系の幼稚園に通う子は般若心経が暗唱できたり、キリスト教系の幼稚園に通う子はミサ曲がそらで歌えたりしますね。
文字の獲得に関して、ほかに何かありますか?

佐藤るり子先生

「見える言葉」としての文字の獲得ですね。
小学校1年生に音読をさせた時に、平仮名やカタカナをスラスラと読んでいく子ども、文字をひとつ一つ細切れにしか読めない子ども、つまり文字を一つのまとまりとして読めない子どもに分かれます。
どうしてこの様な差がつくのでしょうか?

一つは、絵本への興味や関心の差だと言われています。
生まれたときから絵本に親しみ、お母さんやお父さんなどに絵本を読んでもらっていたり、兄弟姉妹などの刺激により、早くから自分で字を読みたいという意識を持つ子どもは、文字を読み文字を獲得することが早いものです。ですから、環境の与え方次第で、読むことや書く事への関心を持つスタート地点が子どもによって違ってくるわけです。

但し、中には絵本が大好きだけれど自分では読もうとせず、お父さんやお母さんに読んでもらうことを好む子どももいます。この場合、文字を読むスタートが遅くなり、読めるようになる時期が遅くなる場合もあります。
「自分で読む」という行動は、文字を獲得する前はかなり労力を要するものです。ですが、獲得をし始めると、知っている字を絵本や町中の看板・新聞・雑誌などで探そうとするのも子どもの行動の一つです。

「まいと」では、お子さんの文字の獲得は、自分の名前からスタートすることを勧めています。
子どもは、自分に名前があることを知ります。今は大体が幼稚園スタートは3才なので、持ち物のコップや上履き、体操服・スモックなどにお子さんの名前を書きます。お母さんが自分の持ち物に名前を書いてくれることを目にします。きっとお子さんの名前を言いながら書いて見せるはずです。

『あやちゃんの名前は「あ・や」と書くのよ』などと、2つの音で出来ていることや字の特徴を話し、他の子どもと間違えないように我が子の名前の文字を覚えさせようとするはずです。ですから、興味を持たせたければ、自分の名前をスタートとして、次に家族の名前、更には家庭にある物に平仮名で名札を貼ることを勧めています。「といれ・れいぞうこ・てれび・たんす・つくえ・いす・・・」など、あらゆる物に名前を貼り、目で見る環境を与えていきます。

読み書きができるようになった子どもは、自分で描きたがるようになります。お絵かきと同じような感覚です。子どもは、○・△・□が描けるようになってくると、平仮名も上手くコントロールして書けるようになってきます。
お子さんの興味や関心を育て、文字の獲得を促すためには、やはり環境の設定が必要不可欠です。

宮本みきお

なるほど、よく分かりました。「おいす・おつくえ・おちゃわん・おさら・おはし・おにんぎょう・・」などと、名詞の頭に「お」をつけてお子さんと会話する上品なお母さんも多いと思います。ですから、幼い子ども達は物の名前を正しく認識出来ない場合もありますね。この様に物に名前をつけてあげる事はとても良いきっかけとなりますね。

吉木稔朗先生

ところで、子供はどこから仕入れるのか、へんな言葉はしっかりと覚えてきます。(笑)
そんな時は、敢えてそれはいけないと叱るより、一種のはしかのようなものですので、あまり強く嫌がらないで、より多くの正しい日本語を教えたほうがいいと思っています。
正しい日本語がしっかりできていると、必ずそこに戻ってくることができるからです。それがないと、大きくなってから戻る場所がないのです。

遊びの中では多くの獲得の場があります。歌を唄う・手遊びをする・お人形遊びやおままごと・お店屋さんごっこなどでの会話の獲得・マイクを使ってインタビューごっこ・同頭語集め・しりとり・なぞなぞ・・・とたくさんあります。
一緒に遊びながら、お子さんの語彙を増やしてあげましょう。

今回のテーマとは関係ありませんが、最近、何度かあるテレビ番組でコメントを求められました。すごい才能のある子供が出てきて、それに対してコメントをするのです。
私は、「子供はみな天才だから、誰でもできますよ。それを引き出すのが教育です」というようなコメントを言ったら、「なんだ、それでは凄くもなんともない」ということで、そのコメントは没になったようです。
でも、子供であれば、どんどん引き出すことができる、それが幼児教育だと私は信じています。

宮本みきお

どうもありがとうございました。

今回の対談は、最近みだれがちな「正しい日本語」「綺麗な日本語」について、幼児期における「話し言葉」「読む/書く言葉」という言語の獲得という視点から、お話いただきました。

私たち日本人は、世界的にも稀な高い言語能力をもつ民族です。ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットを、使いこなせます。平安王朝文化や明治の文豪などの先人達は、そんな言語に対して、高い知性を獲得しつつも、とてもこだわりがあったように思えます。時代に応じて言語の使い方も変わってくるゆえ流行使いも良いですが、正しい日本語の使い方にもこだわっていきたいものです。
言語の知性は高いとは言え、少子化や核家族化が進む現代では、ますます、幼児期における家庭での教育が重要となってくると思います。お二人には視点の違う立場からお話いただきましたが、誰でもすぐ出来る内容ですので、とても参考になりました。

次回の対談も楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。

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対談者プロフィール

吉木稔朗先生

吉木稔朗先生

神奈川大学法学部法律学科卒。早期教育の友人の死を契機に研究を引き継ぎ、現在、ヨシキ幼児教育研究所主催。主たる著書に「IQ200天才児は母親しだい!」「母親だからできる驚異の天才教育」「天才児を育てた24人の母親」などがある。

佐藤るり子先生

佐藤るり子先生

幼児教育学部卒。幼児教育学部専攻科修了。
首都圏の私立幼稚園教諭を経て、大手民間の幼児教育事業部において講師及び教室長を担当。首都圏エリアの運営及び講師育成並びに教育プログラム開発等を手掛ける。現在、幼児才能開発プロジェクト「まいと」専任講師。

宮本みきお

宮本みきお

立教大学経済学部経営学科卒。経営コンサルタント。大手民間の人材バンク及び人材開発の企業を経て、現在、コンサルティングファームを経営。

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