環境ホルモン/内分泌攪乱化学物質(ED)|幼児教育・幼児教材の「まいとプロジェクト」

環境ホルモン/内分泌攪乱化学物質(ED)

簡単に言うと…

内分泌攪乱物質(endocrine disrupter/ED)は、日本では一般的に環境ホルモンと呼ばれている。
ちなみに、バイアグラの製薬会社によるTVコマーシャルの「ED」は、Erectile Dysfunction(勃起障害)の略で、これとは別物。

詳しく言うと…

1996年にアメリカで出版された「奪われし未来」(シーア・コルボーン、他)は、ワニのペニスの矮小化やアジサシの孵化率の低下の現象が、生体のホルモン分泌をかく乱させる化学物質によるものとして、新たな環境問題として紹介した。
ダイオキシン、PCB、ビスフェノールA、ノニフェノールなど70種類以上があげられる。

環境ホルモンは、人の生体ホルモンのバランスをかく乱し、主に女性ホルモンの作用を疑似し、様々な異常を引き起こす。

環境ホルモンによる影響

  • 汚染された地域のメダカは、背骨が曲がっていたり、ほとんどがメスばかりとなっていた。
  • 東京の多摩川の鯉は、圧倒的にメスが多いばかりか、精巣のの不完全なオス鯉や雌雄同体の鯉も発見された。
  • アメリカの5大湖周辺に生息するカモメなどの鳥は、雄の数が減少し、やっと生まれたヒナには奇形が見られたり、両性具鳥が発見された。
  • アメリカのミシシッピーワニのペニスが小さくなってしまい、男性ホルモンの濃度が低下する一方で、雌のワニには卵巣の退化が見られた。
  • 人間の場合、胎児の脳の発育や形成に影響を与えたり、各種器官や形態そのものにも影響を与えるものとして、問題視されている。
  • 男性の1回あたりの射精される精子数の激減と、精子自身の活動力の低下。(ex.1mlあたり1億1千以上あったのが6千6百と約40%ダウン)
  • 男性のメス化傾向と性行動の減少。

「まいと」な一例

塩化ビニール製のおもちゃをお持ちですか?
塩化ビニールには環境ホルモンの一種の「フタル酸エステル」が含まれています。これは、噛んだり舐めたりすると、唾液に溶け出すことが分かっています。また、室温程度でもしみ出てくるので、扱いには気をつけましょう。

余談ですが、プラスチック容器を電子レンジで調理する場合、BPA(ビスフェノールA)という環境ホルモンがしみ出てくることが問題視されています。このBPAは乳ガンの原因物質の1つだからです。

参考文献

  • 「Emotional Intelligence(邦題:こころの知能指数)」/ダニエル・ゴールマン(土屋京子 訳)/講談社
  • 「幼児教育と脳」/澤口 俊之/文藝春秋
  • 「脳が考える脳」/柳澤 桂子/講談社
  • 「脳の健康」/生田 哲/講談社
  • Newton別冊「遺伝子と脳からみる男と女のサイエンス」/ニュートンプレス。
  • 「Why men don't listen & women can't read maps(邦題:話しを聞かない男、地図が読めない女)」/アラン・ピーズ+バーバラ・ピーズ(藤井留美 訳)/主婦の友社
  • 「子どもの脳が危ない」/福島 章/PHP新書
  • 「ホルモンのしくみ」/大石 正道/日本実業出版社
  • 「すぐキレる脳、ムカつく心」/高田 明和/光文社

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