可塑的(かそてき)変化|幼児教育・幼児教材の「まいとプロジェクト」

可塑的(かそてき)変化

簡単に言うと…

「可塑(かそ)」とは、思うように形づくれること。(三省堂広辞林)
粘土のように、柔らかい物質に力を加えて変形させて、その後に力を去ってもそのまま形が残る現象を可塑性という。

詳しく言うと…

A10神経は前頭連合野に至りドーパミンを分泌するが、ここには自我を中心とした高度な知性がある。
認知神経科学者澤口俊之教授は、ドーパミンと幼児教育の関係について次のように述べている。

集中力を発揮して、かつ、楽しい時には、前頭連合野を中心にドーパミンが盛んに分泌されることになる。その様な状態では、知性フレームは可塑的により豊かに発達することになるし、自己組織的な発達も促進させる。
ドーパミンが出ない押しつけ教育では、熱中もせず楽しくない状態なので、いくら知性を育てようとしても殆ど無駄である。
一時的には発達したように見えても、その発達の程度は少ないし長続きもしない。自己組織的には多少は発達していくが、それなら、労力や時間のわりに効果が少ないので英才教育はしないほうがましである。

(フレーム:知性の一つ一つに対応した脳構造のことで、これらはネットワークされている。)

「まいと」から一言

さらに、澤口教授は、人間の脳の大きな特徴は、発達した前頭連合野とその働き=自我を中心とした社会的知性と感情的知性の複合体(PQ*第3回「自我」のコラム参照)であるとし、PQこそが人間らしさを作るので、この部分を発達させる事が幼児脳教育の根幹であると言う。

また、幼児期でのこのPQへの教育が不適切な為にPQが未発達だったら、人間らしさを育むことはもちろん、他の知性フレームも自発的に十分に発達させる事ができない、さらには、幸福感や達成感すら感じられない人生を送るはめになってしまう、と危惧している。

参考文献

  • 「Emotional Intelligence(邦題:こころの知能指数)」/ダニエル・ゴールマン(土屋京子 訳)/講談社
  • 「幼児教育と脳」/澤口 俊之/文藝春秋
  • 「脳が考える脳」/柳澤 桂子/講談社
  • 「脳の健康」/生田 哲/講談社
  • Newton別冊「遺伝子と脳からみる男と女のサイエンス」/ニュートンプレス。

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