さて、幼児「脳」があぶない第二の要因として、*「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」というのがあります。
これは、とくに胎児期から早幼児期(生後一年位)に受ける、有害物質の影響、薬害やドラッグ、栄養不足、酸素不足、感染症、さらには、鉗子分娩時の圧迫、幼児虐待(強く頭をぶったり、揺さぶったり、ビンタしたり等)や不注意による外傷(ころんで頭を打ったり、落としてしまったり。)、遺伝、等々、実に様々なことがトリガー(引き金)となって脳に些細なダメージを与えてしまうのです。そして、それらは微細な障害ゆえに分かりづらく、知らず知らず子どもの脳をむしばんでいくことになります。
例えば、毒性の強い有害物質を摂ってしまい影響を受けたことを考えてみましょう。
妊娠三ヶ月くらいの早い時期ならば流産となってしまうし、遅い時期なら形態異常や知的障害などはっきりとした症状が出てきてしまうので、因果関係が明らかです。
しかし、脳に些細な瑕疵=チョットしたダメージ程度だとMRIやPETなどの高度な検査をしないと分かりません。
そもそも、些細な瑕疵があるからと言って明らかな症状が出ない場合も多々あり、本人も家族も分からないまま普通に過ごしてしまうなど、見分けることが出来ません。
この聞き慣れない、そして「脳障害」と言うとチョット怖い感じがするこの病名は、病気と言うよりは「ある症候群」を表す原因となるようです。
それが最近よく耳にする*「ADHD(注意欠陥多動性障害)」というものです。
その特徴は。。。。。
風邪が発熱・悪寒・頭痛・咳・たん・くしゃみ・等の色々な症状があるのと同じように、集中力がない・落ち着きがなく多動・遊んでいても騒々しい、むやみに走り回ったり高いところへ上がる・衝動的である・他人の遊びや会話に割り込む・順番が待てない・指示に従えない・大事な物をよくなくす、等々、さまざまな症状群をまとめたものです。
実は、このADHDの子どもの多くは、脳に微細な瑕疵(形成異常)を持っていることが知られています。その原因としてあげられるのが微細脳障害/早幼児期脳障害をはじめとして、環境ホルモンや睡眠障害などの様々な要因が絡まり合って、幼児「脳」の発育不全や異常をもたらすことになるわけです。
ところで、このADHDは大人になると自然に治る場合もあるとも言われていますが、先の『子どもの脳が危ない』*(既出)の著者 福島博士は、精神鑑定医として多くの重大事件や青少年の凶悪事件を担当してきた結果、ADHDは出世魚のように名称が変わりながら障害が大きくなるとして、次の点を指摘しています。
・成人期において、*「反社会的人格障害(ASPD)」として、重大殺人事件をおこす者の多くは脳に障害がある。
↑
・そのASPDの多くは、思春期において*「行為障害(CD)」を示し、少年鑑別所に送られるような非行行為にふける。
↑
・そのCDの多くは、児童期において「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の症状を示す。
↑
・そのADHDの多くは、胎児期から乳幼児期において「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」としてダメージを受けている。
もちろん脳へダメージを受けた全ての子がこのパターンになるわけではありません。
また、ADHDのトリガー(引き金)となるのは、「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」だけではありません。「環境ホルモン」や「睡眠障害」による脳への影響なども当然あるわけです。
この様に、問題の人間がまだ胎児であった時期から乳幼児の間(早幼児期)という極めて短い期間=まだ「脳」が完全に形成されていない時期の脳へのダメージや発育不全が、その後の生涯に大きな影響を与えてしまうと言うのは、とても可愛そうなことです。
ただ、この「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」や前回の「環境ホルモン」は、親が知らず知らず与えてしまったもので、責められるべきではないかもしれません。
しかし、次の「睡眠障害」となると、チョット事情が違ってきます。親が与えている生活環境に原因があるからです。
最後の締めくくりとして、幼児「脳」があぶない! 第三の要因となるのが、最近特に問題視されている「睡眠障害」です。
(今回は、今話題の幼児脳の発育に対する色々な障害の1つ、「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」についてわかりやすく述べました。
次回のこのコーナーでは、いよいよ最後に大変問題となっている「睡眠障害」について取り上げます。)
さて、今回も長々と小難しい話しから始まりましたので、さっそく対談の方に入っていただきたいと思います。今回も、長年に渡り幼児教育のリーダーとして現場教育に携わり多くの優秀な人材を社会に送り出したるりる〜先生と、「IQ200天才児は母親しだい!」の著者の吉木先生に、面白い&意義ある対談をしてもらいたいと考えています。