前回は、胎児に与えるホルモンの影響が、どの様に脳に影響を与えるかを中心に話しました。
それは、知性(知能)への影響と言うよりは、男性・女性特有の脳の傾向に対して影響を与えるという事、また、妊娠中のお母さんを取り巻く環境はとても重要で、なにより、お母さんへの「愛」がとても大切だと言う事です。
そんな、人の「男脳」「女脳」とが繰り出すコミュニケーション行動の違いとして、面白いケースが紹介されています。
アメリカ人は話し好きですが、女性は1日に平均6000〜8000語の単語をしゃべります。ボディーランゲージにいたっては8000〜1万回も出しています。その他、言葉にならない様な音声などを足すと1日平均2万回ものコミュニケーション活動を通してメッセージを発信しています。
それに対して、男性は、単語は平均2000〜4000語、ボディランゲージは2000〜3000回、その他は1000〜2000回しかなく、1日平均7000回程度のコミュニケーション活動だそうです。女性の約3分の1程度です。
日本人は、それほどでもないにしろ、男性は女性の3分の1程度という比率はおそらく同じでしょう。
ところで、男性の自殺は女性より多いのですが、自殺の大きな原因となるウツ病は女性の方がはるかに多い。
これはどうしてなのでしょう?
男性の脳は右脳の方が発達しているわけですが、右脳は方向感覚や空間認識を司るのに併せて、ロマンティスト的な情緒・情動面にとても強く関係しています。そして何より男性の脳は、好戦的で自己主張が強く融通性が無い頑固な脳となっています。さらに、前述の通りコミュニケーション下手です。
これに対して、女性の脳は言語能力を司る左脳が発達しているのでコミュニケーション能力が高く、周りとの協調性もあり、ささいな事でも幸せや喜びを感じることができるし現実的で融通のきく脳となっています。
それ故男性は、追いつめられると人に弱みを見せるのが苦手なので助けを求めることなく、頑なに自分自身で問題解決を図ろうと限界までとことん頑張ります。
で、許容範囲を超えてしまうと、プチッ!とキレて突然自殺してしまうわけです。
一方、女性は追いつめられたり困難に遭っても限界まで耐えようとなどしません。感情的になって泣いたり叫んだりして、一見キレているようにも見えますが、逆にこれがストレス発散にもなって自殺までは至らない反面、ウツ病にはなりやすい、といった傾向があるわけです。
このように、人類で最も重要な要素となる「コミュニケーション」能力には、こんな男女の脳による違いもあります。もともと人間の男女はそう言うものだ! と、言うことが最初から分かっていれば、もはや
「話しを聞かない男、地図が読めない女」(*既出)などのような、脳の性差ならでは欠陥などどうでもいい話でしょう。
健全な男脳ならではのメリット、女脳ならではのメリットと言うものが在って、それを補完しあいながら人間社会が成り立っており、男女は愛で結ばれてHAPPY−HAPPYになっていくわけです。
ところが、最近、この「健全な脳」に育たない環境が子ども達を取り巻いているとして、大きな問題となっています。
『子どもの睡眠が危ない』(クローズアップ現代/NHK番組)や、
*『子どもの脳が危ない』(福島 章著/PHP新書)で指摘されている、「キレる子ども」「落ち着きのない子ども」「学力の低い子ども」等々です。
実は、この事は幼児教育者にとっては随分と前から指摘されていた事実ではあります。
人が人たらしめる最大の要諦は、他の哺乳類と比較して圧倒的に大きい「脳」と、複雑な「脳のメカニズム」にあります。(第2回参照)
その脳は、幼児期の6歳位までにはほぼ出来上がるわけですが、この時期までに脳が健全に育たないというのは、「人間」にとってとても大変なことです。
この幼児「脳」と、その後に受ける教育(義務教育制度により全ての国民に与えられる様々な教育・スキル等)との関係は、パソコンとアプリケーション・ソフトの関係によく似ています。
今、私たちの多くは、CPUがペンティアム4相当でOSがWindows XPのパソコンを使っていますが、これは人で言うなら脳の土台となるものです。
昔のパソコンなら、ペンティアム1にWindows 95でファーマットされた機種が一般的でしたが、現在では、ペンティアム4相当にWindows XPの組み合わせとなり、処理能力が格段に飛躍しました。
そして、これらのパソコンにはそれ相応のアプリケーション・ソフトが機能できるわけです。
例えば、Windows XPのパソコンでは、Word XP(2002)やExcel XP(2002)の様な高度な機能のソフトが難なく動きますが、Windows95のパソコンでは使えないでしょう。
やはり、それ相応のレベルの低いWord95やExcel95を使うしかありません。
逆に、Windows XPのパソコンならWord95やExcel95は動くでしょうが、せっかくの高性能パソコンでも機能の低いソフトを使っていては宝の持ちぐされです。

このように、土台となるパソコン(=脳)の能力が低ければ、それにいくら高度なソフト(=義務教育)をインストールしても、使いこなせるものではありません。一方、その土台さえ良く出来上がっていれば楽々とソフトが使いこなせます。
幼児教育とは、義務教育制度により始まる色々な教育やスキルを、きちんと理解し、自分のものにし、そして自分の才能を伸すことが出来るようにする、その土台となる脳作りに他なりません。
つまり、幼児期における適切な幼児教育環境で幼児脳をレベル高くフォーマットするわけです。
(その後は、公立校や私立校など進む道は異なりますが、それぞれの環境に相応しい教育を受けて才能を伸ばしていくわけです。)
これまでは、健全な幼児「脳」に対して、適切な幼児教育や環境を与えることで、どう才能を開花できるかについて述べてきましたが、今回は、その土台となる幼児「脳」が、そもそも健全に育たないケースについて考えてみたいと思います。
幼児「脳」があぶない! その問題となっているのは脳に悪影響を与える、「環境ホルモン」、「微細脳障害(MBD)」/「早幼児期脳障害」、「睡眠障害」の3つです。
(なお、これらは最近研究が進んできたとは言え、まだまだはっきりとその全容、因果関係が解明されたというわけではありませんが。)
「まいと」では、誕生前6ヶ月+生後6年の6年6ヶ月(第1回参照)をとても重視しています。ある意味、この期間に適切な幼児教育が与えられなければ、その後に与えてもあまり意味が無いと言っても過言ではありません。
これは、知性・知能の発達に係る
臨界期*(既出)があるからです。適切な環境を与えるかどうかは養育者の幼児教育への関心・価値観によるものですが、その結果は幼児「脳」の育成に大きく影響を与え、ひいては将来の才能開花をも左右することに繋がります。
一方、幼児脳自体の発育・形成に関しては、この6年6ヶ月の法則よりさらに短い3年3ヶ月の法則と言うものがあります。
これも、「まいと」的な語呂合わせですが、誕生前3ヶ月+生後1年の早幼児期と呼ばれる時期〜脳の土台作りに大切な時期にあたる3歳までの、3年3ヶ月としたものです。
この時期は脳の健全な発育・形成にとって、とても重要な時期に当たり、ある事がトリガー(引き金)となると、脳が正常に育たない発育不全や脳のメカニズムの異常、脳への障害や形成異常をもたらす等、さまざまな影響をもたらします。
その1つに、「環境ホルモン」の影響があります。
(今回は、今話題の幼児脳の発育に対する色々な障害を、3つの要因から取り上げてみました。
次回のこのコーナーでは、その第1の要因となる、環境ホルモンの影響をわかりやすく説明するとともに、この度厚生労働省が発表した妊婦に対するメチル水銀の摂取に係るガイドラインについても述べたいと思います。)
さて、今回も長々と小難しい話しから始まりましたので、さっそく対談の方に入っていただきたいと思います。今回も、長年に渡り幼児教育のリーダーとして現場教育に携わり多くの優秀な人材を社会に送り出したるりる〜先生と、「IQ200天才児は母親しだい!」の著者の吉木先生に、面白い&意義ある対談をしてもらいたいと考えています。